乳がんキャンペーン

乳がんについて About Breast Cancer

識者からのメッセージ

プロフィール

1963年12月18日 静岡県生まれ1988年筑波大学医学部卒。1992年東京逓信病院で乳腺専門外来を開設する。
1998年に米国ワシントン大学ブレストセンターへ留学、帰国後、乳がん啓発活動ピンクリボン運動を始動。2000年乳房健康研究会を立ち上げ、乳がん啓発団体として日本初のNPO認証を受ける。イーク丸の内副院長、東京ミッドタウンクリニック シニアディレクター等を経て、2008年にピンクリボンブレストケアクリニック 表参道を開設。同医院の院長を務める。

乳腺科、放射線科専門医、ピンクリボンの日本への普及活動の牽引者として、積極的に活動をされる島田先生。様々なメディアで乳がん検診の重要性を説き、ご自身のクリニックでは、働き盛りの女性たちが乳がん検診を受けやすくするため、平日仕事帰りや土曜も診療が受けられる環境づくりに努められています。
「—人でも多くの女性を助けたい」という強い思いと、ピンクリボン発祥の地・アメリカでの乳がん検診の現場から学んだご経験がある島田先生の思いのもと、日本女性の意識改革が少しずつ、しかし確実に進んでいるのを実感します。
著書:『ブレスト・ケアノート』『乳がん全書』『乳がんの早期発見と治療』など

日本とアメリカ女性の乳がんに対する意識の差に愕然としたアメリカ留学。そこで、乳がん啓発活動の重要性を痛感。

今、日本人女性の約14人に1人が乳がんになると言われており、年々その率は高くなっています。しかし、診断技術や、医療の進歩により、乳がんは非常に早期に発見できるようになりました。また適切な診療を受ければ、治癒する確率が非常に高い病気です。

私が、医師としてこの乳がんという病気と深く関わるようになったのは、1992年、東京逓信病院で乳腺外来を開設した時に遡ります。

今から20年前の当時、乳がんになる女性は30人に1人と言われていて、今より乳がんに関心を持っている女性も少なく、「検診による早期発見で、治せる可能性が非常に高い病」だという認識が日本女性にはそこまで広まっていない時代でした。
外来では、「どうしてもっと早く来てくれなかったんだろう…」という状態の患者さんも少なくなく、悔しい思いをしたことは数えきれません。

「日本という先進国で、多くの情報が溢れ、住民はいつでも医療に手が届く環境であるはずの都心の病院で、なぜここまで進行した乳がんに出会ってしまうのだろう?」と自問自答し続けましたが、それに対して自分は何をするべきなのか、答えは出せないままでした。

そんな時、乳がん先進国アメリカでの研修留学のチャンスをつかみました。
アメリカの乳がん診療を経験したい一心で渡米。私が拠点をおいたのは、決して大都会のように健康意識が特に高いわけでもない、中西部のセントルイスという街でした。
そんな普通の街で、私が目の当たりにしたのは、アメリカの一般女性たちの「乳がんに対する関心と知識の高さ」でした。

ブレストセンターに来る女性は、乳がんは他人ごとではない病気、でも早く発見さえすれば治すことができること、早く発見するには検診を毎年受けることが重要である、ということを知っていました。

最初は、彼女たちが、なぜここまで、乳がん検診に対する意識が高いのか、まったく理解できませんでした。日本人女性と比較して特別な高度教育を受けている訳でも、情報収集に積極的、ということもありません。医療技術も、日本とそこまで大差はない。

苦悩する私がその答えを見つけたのは、「病院の外」でした。

街の看板、スーパーに売っているジュースやヨーグルトのパックにもピンクリボンの文字。また、TVやラジオでも、ピンクリボンのメッセージは流れています。
セントルイスの女性は、日常生活の中で、”無意識”のうちに、自然と乳がんに関する情報を得られる環境にあったのです。

その時、「まずは、検診に来てもらうことが重要なのだ。病院の中で、目の前にいる患者さんと必死で向き合うだけでは、駄目だ。アメリカと同じことを日本でもやらなければ」と思い、帰国後、ピンクリボンの活動を開始しました。

いつまでも美しく健康でいるために。乳がん検診を「日常のひとつの行事」に組み込んで欲しい。

私がピンクリボン活動を始めて今年で13年になりますが、当時より、乳がん認識は向上し定期的に検診に来る女性も徐々に増えています。

一方で、まだ一度も乳がん検診を受けたことがない女性が多いのも事実。しかし、「自分だけは大丈夫」と思っている人ほど、危険です。
忙しい、まだまだ若い、家族に乳がんの人がいない…。何かと理由をつけ、自分だけは例外だと思い込みたいものですが、可能性はゼロではありません。

乳がん率の増加は、生活習慣、食生活の変化など、様々な原因があると言われていますが、日本だけでなく、アジアの先進国の乳がん罹患率も、年々増加しています。
このような時代に生き、働き、子供を生み、育て…ということをやっていかなければならない私たちは、毎日変化する自分の体ときちんと向き合うことが重要です。

アメリカでは、自分が病気になった時に備える意識が非常に高く、お金や治療にかかる時間を考えたら、検診に行ったほうがいいと考えます。これは、保険制度の違いもあるとは思いますが、結果的に、乳がんで助かる人の数はアメリカのほうが多いことになります。
いつまでも美しく健康でいるために、乳がん検診も、是非、日常の行事に組み込んで下さい。顔を洗う、メイクをする、ということと同じように。

乳がんは、自分で発見できる唯一のがんです。しかし、そのためには定期的な検診を続けること、自分の健康を大切に思う気持ちが何より大切です。

そして、もしあなたが、一度でも乳がん検診を受けたことがあるなら、是非周りの女性に受診を促して下さい。一度受診すれば、大変なものではないとわかるはずです。

自分が動けた人は、是非、人を動かして欲しい。「気になっていたけど、何となく怖くて行けなかった」という女性の背中を押してあげてください。「そんなに大変なものじゃないよ」と。

このような、私たちひとりひとりの行動が、大きなピンクリボンの活動となり、乳がんで亡くなる女性がいなくなる理想の社会に近づくと信じています。

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