• CSR社会貢献

グローバル ランドマーク イルミネーション

姫路城がピンクに染まる日

今年のピンクリボンの活動テーマは、「ひとつひとつの行動に価値があります」です。
一人ひとりの力を合わせれば、それがつながり、やがて大きな目標や目的を達成する輝きの輪になります。
日本が世界に誇る美しい城下町・姫路で、もうひとつかけがえのないピンク色の価値が生まれました。

2015年10月1日、姫路城はその純白の姿を数時間だけピンク色に輝かせて、病気に打ち克つ希望の光を世界に向けて発信します。

乳がんの知識や定期検診の大切さを啓発する、エスティ ローダー グループのピンクリボンの活動のひとつに、建造物をライトアップする「グローバル ランドマーク イルミネーション」があります。今年新たに加わるのは、日本で初めて世界遺産に登録(1993年)された姫路城。400年の歴史を刻む、日本を代表する最も完成された大規模な木造の城郭建築で、シラサギが羽を広げたような優美な姿から「白鷺城」の愛称でも親しまれ「行ってみたい城・世界ランキング2位」に輝いています。

ライトアップの実現に向けて取り組んできた多くの人々の願いや努力がありました。
「姫路城をピンク色にしたい!」という思いを分かち合い、力を合わせて現実のものにするまで、地道に準備を続けた姫路市や市民活動団体などの関係者からお話を伺いました。

「姫路城もピンク色に!」の願い

2014年12月、姫路市あてに一通の「姫路城のピンクライトアップに関する要望書」が届きました。差出人は、姫路市で積極的にピンクリボン活動を行っている「ピンクリボンひめじ」代表の石井尚美さんでした。

ピンクリボンひめじ 代表
石井 尚美さん

「私は、1999年に乳がんがわかり治療を経て患者会活動に参加していました。日常生活には支障のない状態になりましたが、乳がんは早く見つかれば治るということを伝えたり、闘病中の方を励ましたいと思いから、2012年にピンクリボンひめじを設立。以来、母の日や10月の乳がん月間に街頭活動を続けてきました」
「姫路城をピンクにしたい」と思いついた当時のことを、石井さんは懐かしそうに回想します。

「2008年11月14日のことでした。娘に『お母さん、なぜ今夜はお城が青いの?』と尋ねられたのです。私たちは姫路城の近くに住んでいるのですが、あとで糖尿病検診促進の活動でブルーに点灯していたとわかりました。そこで『姫路城もピンクリボンの活動にご賛同いただけないか』と市長あてにお便りしたのです」


しかし、姫路城は「平成の修理」が決定したタイミングでもあったため、市役所から、すぐに実現できるという回答は得られませんでした。やむを得ない状況に失意に陥った石井さんでしたが、ほどなくピンクリボンひめじの街頭活動に関する相談をしたことから、姫路市保健所予防課の掘祐子さんと知り合うチャンスがめぐってきました。

女性が元気にならないといけない!

堀さんは、保健師の経験を活かしながら、健康な人には定期検診の大切さを伝え、患者や体験者向けの支援にも熱意をもって毎日の業務に取り組んでいます。また、子宮がんや乳がん検診の受診率が低いことを問題視し、姫路市の乳がん検診(40-60歳)と子宮がん検診(30-50歳)の好発期の全面無料化の実現に貢献した実績もあります。「いずれの病気もプライベートで恥ずかしい部分であると受診に抵抗がある方が多く、啓発には行政の活動だけでは限界がある」と考えていました。

姫路市保健所 予防課
掘 祐子さん

「そもそも個人の集団の最小単位は家族であり、家庭の原動力は女性です。食事を作り、子供を産み育てるなど、女性の役割が大きいのです。女性が元気でないと社会が元気になりません。同じ女性として元気にしたいんです!」
熱い思いを持っていた堀さんは、石井さんの「姫路城ライトアップ」のアイディアに賛同し、関係各庁の調整に取り組みはじめました。姫路城は国宝のため、その管理や運営には、数えきれない数の部署や担当者に許可や承認を取る必要があります。
「そんなとき、エスティ ローダー グループから『ピンクリボン活動として一緒に協働して姫路城をライトアップできないかと』打診を受けたのです。実行委員はピンクリボンひめじにお任せし、私たちは行政として何がサポートできるかを考えました。そうやって協力し合うことにより、お城をピンクにするという目標のために、いくつものハードルを乗り越えることができました」

実はエスティ ローダー グループとしても、過去のお城のライトアップの実績から、「今度は世界遺産で重要文化財(国宝)の‘姫路城’をピンクにライトアップをしたい!」という夢を抱いていました。その実現に向けて情報収集をする中、石井さんの「要望書」のことを知り、すぐに連絡を取りました。関東が拠点の一民間企業が姫路城のピンクライトアップを実現させるには、姫路市で活動を広げているピンクリボンひめじの方たちのお力をお借りしなければ難しいと考えたからでした。

駅周辺の道路局や城管理事務所の担当チームの中には、最初は“ピンク”という色合いに難色を示した方もいました。「何度にもわたって説明を続けるうちに、自らも情報収集し活動やライトアップの趣旨に理解を示してくれるようになりました」と堀さんは語ります。

「課長、副所長、所長、局長からご助言いただきながら、市は、大手前通りやキャッスルビュー、プリンセスロードを担当し、ピンクに彩る主催者となりました。それぞれ役割を分担して協業することにより、順調に計画を進めることができました。また、姫路大手前通りタペストリーのデザインは、いつもピンクリボン活動している方に依頼し、仲間で創り上げました。その広告には、検診を担当している医療機関、生命保険の会社、イルミネーションを手掛ける株式会社マイス、姫路生花(以前、母の日の街頭活動用にピンクのカーネーション300本を提供)などが協賛してくださいました」

姫路城が加わり、2015年のエスティ ローダー グループの日本での「グローバル ランドマーク イルミネーション」は全部で4ヶ所となります。 「皆で力を合わせ、乳がんに打ち克ちましょう。」というスローガンの通り、行政、民間、NPOが垣根を越えて一つの力のサークルをつくり、乳がんを撲滅するという同じ目的に向けて活動できた「姫路城ライトアップ」。すべては、このスローガンに賛同していただけた姫路だったからこそ、実現できたのです。
加えて、2000年の東京タワーのライトアップからスタートして以降、毎年いろいろな建造物をライトアップし、様々な団体様と交渉をしてきた15年間の経験を生かせたことも助けになりました。姫路市、姫路市保健所、ピンクリボンひめじ、また今回の趣旨にご賛同くださった多くの方たちの温かく力強いご支援、何よりこの巡り合せに心から感謝しております。
そして、一人でも多くの方がこのピンクの光を通じて、乳がんの正しい知識を持つことや検診の大切さを伝え、女性がいつまでも健やかで美しく活躍する毎日を過ごせるように願っています。

姫路城ライトアップを実現して…新たな希望を胸に

10月1日、姫路城はピンク色に染まりました。
その時、石井さんは「今までのことが浮かんで涙が…ただただ感動でした」と語ります。
「患者会時代に一緒に活動していた方から『夢が叶って良かったね』と、他にも『良かったね』『綺麗ね』という言葉を沢山の方から頂きました。翌日の朝刊の記事を見た時には『私たち、本当にすごいことをやっちゃったのね!』と。今もじわじわと感動を噛み締めています」

堀さんも、乳がん検診担当として長年にわたる夢が達成でき、とても感激したと言います。
「ピンクの色が本当に“希望の光”として心に響いてきました。ひとりではできないことでも、多くの人の力、絆により達成できた時は何十倍も喜べるのだと肌で感じることができました」

石井さんによれば、小さなお子さんとライトアップを見て、ピンクリボン活動のことを話したり、「妻に検診を勧めます」という男性の声も聞かれたとのこと。さらに堀さんのもとには、乳がん闘病中の方から「自分はひとりじゃない!と勇気をもらいました。希望の光です。もう少し、頑張れそうです」といったコメントが届いています。

「来年は市民のために、さらにいい企画を考えたい」と堀さん。

最後に、石井さんは今回の活動を振り返り、次のように語って下さいました。
「姫路城のライトアップが実現し、ピンクリボンの意味は多くの方に分かって頂けたと思います。とはいえ、自分の問題として受け止めて行動するまでにはいたっていない実情もあります。今後もボランティア団体として地道に啓蒙活動を続けつつ、賛同してくれる仲間を増やし、企業・行政・医療関係と協力してできることを考えていきたいと思います」

人の輪が広がり実現した姫路城ライトアップ。
ピンクの光が新たな希望へと繋がっていきます。

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